イヤホン買って失敗した話書く: Shuoer Tape Pro
さて、イヤホン狂い趣味の中でも、特に中華イヤホン(中国に本社を構えるメーカーの開発したイヤホン。最近活発に新製品が出ている)を買う行為は一種のギャンブル/ばくち行為であるとされています。
というのも、私のような日本在住のシロートにとって中華機の視聴をすることはほぼ不可能に近く(日本に販売代理店を設ける水月雨/moondropやTZFはヨドバシとかeイヤホンに行けば視聴できますが)参考にできるのは性質上どうしても個人の主観が入らざるを得ない商品レビューのみ。
自分の好みの音かどうかわからないイヤホンを高い値段を出して買うというのは大変な博打という訳です。
そんな前提があるにも関わらず、あろうことかレビューすらない前評判無し状態で突撃したところ、 自分の好みに驚くほどマッチせず手放したイヤホンの話を書きます。
Shuoer Tape Pro というイヤホンです。
なんで買ったん?
- 初代 Shuoer Tape の評判が良かった
- 後で初代も実際に買って聞いてみたけど、分離感の異様に良い面白い鳴り方をするドンシャリ系イヤホンで悪くなかった
- 自称・静電型を採用しているのが売り文句だった
- 静電型(コンデンサ式)というのはかなりお高いヘッドホンに採用されているドライバの種類で、20万とかは下らない値段だがこっちは1/10の値段
- 初代Tape と TapePro が同時販売されてて、価格も変わらないし基本こういうものはProの方が良い鳴り方する事が多いので買うならそっちかなと思った
- 音質調整機能がついている という売り文句に惹かれた
いいところ
- 太くてしっかりしたケーブルがついている
- イヤピもAET-07っぽい感じの付け心地良い奴がついている
- ケースが手ごろな大きさで使いやすい
後悔した所
マジで自分に合わない音だった
一言で言えば低域強調タイプのイヤホンで、ローだとかミッドベースだとか言われている部分が強調されている。 この事自体はメーカー公式の説明文で「ユーザからの希望に応えて低域を強化した」と書かれていたので織り込み済みだったのだが...
Tape Proは低音量が盛られているせいか、高音域がビックリするほど聞こえない。どんな曲を再生しても暗ーく聞こえる。 あと妙に詰まった感じというか圧迫感を感じる音で、音場もかなり狭い感じがする。
低音系イヤホンというと大昔にJVCのHA-FX1Xを何本か使い倒すくらいには聞いてたんだけど、 そっちの方が間違いなく高音は出ていたし聞きやすい音だった記憶があるくらいで、 Tape Proはどうイコライザをいじっても好みの感じの音にはならなかった。
イメージしやすく例えると、デカいスピーカーに布をグルグル巻きにして低音盛った感じ、というか...
…まあ、ある種唯一無二な音ではあると思うので、まあこういう音が好きな人はいるんだろう。たぶん。
音質調節機能が利いてるのかわからん
この製品の音質調節機能は物理的なフィルタを交換することにより低音の量を調節できる...という触れ込みなのだが 上に書いた通り標準の低音量の段階で盛られているので、 低音強調フィルタと標準フィルタであまり違いを感じられなかった(もっとも自分がクソ耳だから違いを感じられなかったというのもある)
テープリールパーツの内部にフィルタが内蔵されていて、前のテープリールパーツをはめる穴が空気圧調整用のベンドなので 前後のパーツを交換することでフィルタも変わるという仕組み。 こういうギミックは見てイジって楽しいので好き。
まとめ
- とにかく低音第一という人には合うイヤホンなんだろうが、自分には合わなかった。
- 新し物に飛びつくリスクというものを嫌というほど教えてくれた
- "静電型イヤホン" という売り文句に惹かれた人、特にきれいな高音域を期待している人は Proのついていない無印Tapeを買った方が100倍幸せになれる。
余談
Head-Fiに投稿されてたレビューで "欠点: 音" って直球のレビューされてたのは草生えた